読まれる議事録の書き方 — 全文を書かないという選択
議事録に全部書こうとすると時間がかかり、しかも読まれません。決定事項とタスクに絞る書き方と、そのまま使えるテンプレートを紹介します。
議事録を書くのに時間がかかるのは、多くの場合書きすぎているからです。
会議の発言をすべて記録しようとすると、1時間の会議で3時間かかります。そして完成した長文の議事録は、たいてい誰にも読まれません。
読まれる議事録には共通点があります。短く、決定事項が先頭にあり、次に何をすべきかが書いてあることです。
議事録の目的を3つに絞る
議事録が果たすべき役割は、突き詰めると3つです。
- 何が決まったかを関係者に伝える
- 誰が・いつまでに・何をするかを明確にする
- 後から見返したときに経緯がわかる
逆に言えば、この3つに寄与しない記述は削ってよい、ということです。「では、次の議題に移ります」といった進行の言葉は、記録する価値がありません。
そのまま使えるテンプレート
■ 会議名:
■ 日時:
■ 参加者:
【決定事項】
・
・
【やること】
| 誰が | 何を | いつまでに |
|------|------|-----------|
| | | |
【保留・次回持ち越し】
・
【議論の要点】
・
順序が重要です。決定事項を一番上に置いてください。 読む人が最初に知りたいのは結論であって、議論の経緯ではありません。
経緯を先に書くと、忙しい人は最後まで読まずに閉じます。
3つのコツ
1. 会議中に書き上げる
会議が終わってから清書しようとすると、記憶が薄れて時間がかかります。会議中に上のテンプレートを埋めていき、終了時点で8割完成しているのが理想です。
そのためには、発言をそのまま書き取るのではなく、「これは決定事項」「これはタスク」と分類しながら聞く必要があります。慣れると、会議の理解度も上がります。
2. 曖昧な表現を残さない
議事録でもっとも価値が下がるのは、担当者と期限が書かれていないタスクです。
- 悪い例:「見積もりの件、進めることになった」
- 良い例:「佐藤さんが見積もりを取得し、今月末までに共有する」
会議中に担当者が決まらなかった場合は、「担当者未定」と明記してください。空欄にすると、誰も気づかないまま流れます。
3. 発言者を記録する
「誰が言ったか」は、後から確認するときに効いてきます。特に懸念や反対意見は、誰が述べたかを残しておくと、後の判断材料になります。
AIに任せられる部分と、任せられない部分
音声から文字起こしをして要約するところまでは、いまはAIが十分に実用的な精度でこなします。1時間の会議が数分で議事録になります。
ただし、AIが判断できないこともあります。
- 社内でしか通じない略語や固有名詞
- 「検討します」が前向きなのか、断りなのか
- 発言されなかったが共有されている前提
つまりAIの出力は下書きとして優秀ですが、そのまま配布するのではなく、5分だけ目を通して直すのが現実的な使い方です。ゼロから書くのと比べれば、それでも圧倒的に速く終わります。
まとめ
- 全文を書かない。決定事項とタスクに絞る
- 決定事項を先頭に置く
- 担当者と期限を必ず書く。決まらなければ「未定」と書く
- AIは下書きとして使い、最後は人が確認する
議事録は、書くことが目的ではなく次の行動につなげることが目的です。その観点で不要な記述を削っていくと、書く時間も読む時間も短くなります。